兎にも角にもSaaS営業は各社The model的な組織モデルの構築に進んでいますね。
分断化による専門性の向上とセクション連携が生むプラスの作用に期待して、また問題発見のための課題特定の簡易化を目指して各社the modelを導入して顧客サイドの体制を構築して行ってます。
今回はそんなthe modelの適用について、もっと全社的にできることがあるのではないかと思い、まとめてみました。
the modelとは?
マーケティングや営業の分野で注目、というかSaaS系ビジネスにおいては市民権を得ているthe modelですが、そもそもどんなものなのでしょうか?
集客からクロージングまではこれまでの売り切り販売でも各所最大化のために色々概念が提唱されてきていましたが、そこにカスタマーサクセス(CS)が加わったこと、そして各段階を数値化して次段階に引き渡して連動させる点が特徴的な営業プロセスモデルだと言えます。
これは、以下の記事でも書きましたが、売り切りモデルから継続利用モデル(サブスクリプション)に販売モデルが変遷してきたことが影響を与えている部分だと思います。
the modelの仕組みとは?
自分で書くより、本家の記事をそのまま持ってきましょう。以下の記事にモデルが簡単に書いてあるので、そちらをご参照ください。

要約すると分業と協業を主体に、全体最適を目指すというものです。
ただ、個人的には最も重要視すべき概念は、効率化や可視化という点ではなく、実はリサイクリングという概念が表に出てきたことだと考えています。
リサイクリングとは?
the modelによるプロセス管理では基本的にファネル的な概念で進んでいきます。そして、ファネルはスクリーニング的な進め方のため、基本的に離脱していく顧客が一定数存在するのが一般的なファネル管理の考え方です(本来的にはドカン型ファネルという最強ギミックも提唱されていますが)

ということは、ファネルの途中段階で離脱する顧客が一定数いることを示唆しています。そして、その一定数は”今”採用されなかっただけで、”将来的に”採用されないという訳ではありません。離脱理由が機能であれば、課題を解決できる機能が追加された段階でさらにコンタクトする事で再度パイプラインに乗ってくるかもしれません。また、離脱理由が時期や決済者であれば、時を待ちつつナーチャリングを継続しておく事で、必要なタイミングで再度パイプラインにのせることができるでしょう。
将来を見据えた上で、一旦離脱しても継続的にコンタクトするための手段をデータとともに保存しておくこと、それがリサイクリングの本質です。
the modelやリサイクリングは応用の効く概念
the modelやリサイクリングの概念は営業サイドだけで利用されるものなのでしょうか?
決してそんなことはなくて、the modelやリサイクリングの概念が効用が発揮される前提条件さえ満たしていれば、他のセクションでも有効に機能していくと個人的に考えています。では、その前提条件をメタ化させるとどういう要素なのでしょうか?
パッと効用が発揮されやすい前提条件をメタ化すると上のような感じですかね。
どんな業務が思いつきますか?
採用活動はthe modelを応用すべき
パッと思いつくのは採用でしょうか。広報とかもそうなるケースもありますが、広報の方がプロセスが少ないからもっと端折って展開できそうですが。調達とかもそうなんでしょうが、そこは技術要素も入ってくるのでリサイクリングだけは概念フィットしそうですね。
では今回リストアップする活動の採用ですが、採用活動は一般に以下のプロセスを経ますよね。
①母集団の形成→②簡易スクリーニング→③面接→④採用
ある程度の規模の会社の場合、人事部や採用部内のチーム内でも役割分担制になっていることが多いです。そして、何より無駄に離脱が多い(スクリーニングが強い)。そして全くリサイクリングされない。
もちろん候補者が別の企業に雇用されていて、リサイクリングする意味がないという人もいますが、本当でしょうか?
直近日本でも流行を見せかけているアルムナイのようなやり方は、実質的には退職者へのリサイクリングとメタ化すれば考えられます。ということは、採用しなかった候補者に対してもリサイクリングすることは有用だと思いませんか?
母集団形成にこの頃Twitter広告などのSNS広告が使われ始めているのも、このような影響だと言えます。
まとめ
別プロセスで活用されているプロセス管理手法を別プロセスにメタ化して要素展開することは、事業運営の基本だと思います。
実は社内に利用できる資産はいっぱいあるんです。ぜひ現物資産以外の無形資産(概念や管理方法なども含めて)一旦棚卸してみて、メタ化して展開ということができないか、時間をとって考えてみることをお勧めします。