今回も全然プログラミングと関係ないですが、SDGs関係の2回目です。
前回の記事でSDGsの概要やゴール1〜3のターゲットやインディケータの紹介をしてきました。以下の記事になります。
今回は前回に続いて、ゴール4〜6を紹介していきたいと思います。
SDGs: ゴールの分類別ターゲット・インディケーター
前回3【保険】関係まで紹介したので、今回はゴール4から紹介していきます。
【教育】すべての人々への包摂的かつ公正な質の高い教育を提供し、生涯学習の機会を促進する
ゴール4の教育には10個のターゲットが規定されています。
No. | ターゲット | インディケーター |
4.1 | 2030年までに、全ての子供が男女の区別なく、適切かつ効果的な学習成果をもたらす、無償かつ公正で質の高い初等教育及び中等教育を修了できるようにする。 | (i)読解力、(ii)算数について、最低限の習熟度に達している次の子供や若者の割合(性別ごと) (a)2~3学年時、(b)小学校修了時、(c)中学校修了時 |
4.2 | 2030年までに、全ての子供が男女の区別なく、質の高い乳幼児の発達・ケア及び就学前教育にアクセスすることにより、初等教育を受ける準備が整うようにする。 | 健康、学習及び心理社会的な幸福について、順調に発育している5歳未満の子供の割合(性別ごと) |
(小学校に入学する年齢より1年前の時点で)体系的な学習に参加している者の割合(性別ごと) | ||
4.3 | 2030年までに、全ての人々が男女の区別なく、手の届く質の高い技術教育・職業教育及び大学を含む高等教育への平等なアクセスを得られるようにする。 | 過去12か月に学校教育や学校教育以外の教育に参加している若者又は成人の割合(性別ごと) |
4.4 | 2030年までに、技術的・職業的スキルなど、雇用、働きがいのある人間らしい仕事及び起業に必要な技能を備えた若者と成人の割合を大幅に増加させる。 | ICTスキルを有する若者や成人の割合(スキルのタイプ別) |
4.5 | 2030年までに、教育におけるジェンダー格差を無くし、障害者、先住民及び脆弱な立場にある子供など、脆弱層があらゆるレベルの教育や職業訓練に平等にアクセスできるようにする。 | 詳細集計可能な、本リストに記載された全ての教育指数のための、パリティ指数(女性/男性、地方/都市、富の五分位数の底/トップ、またその他に、障害状況、先住民、紛争の影響を受けた者等の利用可能なデータ) |
4.6 | 2030年までに、全ての若者及び大多数(男女ともに)の成人が、読み書き能力及び基本的計算能力を身に付けられるようにする。 | 実用的な(a)読み書き能力、(b)基本的計算能力において、少なくとも決まったレベルを達成した所定の年齢層の人口割合(性別ごと) |
4.7 | 2030年までに、持続可能な開発のための教育及び持続可能なライフスタイル、人権、男女の平等、平和及び非暴力的文化の推進、グローバル・シチズンシップ、文化多様性と文化の持続可能な開発への貢献の理解の教育を通して、全ての学習者が、持続可能な開発を促進するために必要な知識及び技能を習得できるようにする。 | ジェンダー平等および人権を含む、(i)地球市民教育、及び(ii)持続可能な開発のための教育が、(a)各国の教育政策、(b) カリキュラム、(c) 教師の教育、及び(d)児童・生徒・学生の達成度評価に関して、全ての教育段階において主流化されているレベル |
4.a | 子供、障害及びジェンダーに配慮した教育施設を構築・改良し、全ての人々に安全で非暴力的、包摂的、効果的な学習環境を提供できるようにする。 | 以下の設備等が利用可能な学校の割合 (a)電気、(b)教育を目的としたインターネット、(c)教育を目的としたコンピュータ、 (d)障害を持っている学生のための適切な設備・教材、 (e)基本的な飲料水、(f)男女別の基本的なトイレ、(g)基本的な手洗い施設(WASH指標の定義別) |
4.b | 2020年までに、開発途上国、特に後発開発途上国及び小島嶼開発途上国、並びにアフリカ諸国を対象とした、職業訓練、情報通信技術(ICT)、技術・工学・科学プログラムなど、先進国及びその他の開発途上国における高等教育の奨学金の件数を全世界で大幅に増加させる。 | 奨学金のためのODAフローの量(部門と研究タイプ別) |
4.c | 2030年までに、開発途上国、特に後発開発途上国及び小島嶼開発途上国における教員研修のための国際協力などを通じて、質の高い教員の数を大幅に増加させる。 | 各国における適切なレベルでの教育を行うために、最低限制度化された養成研修あるいは現職研修(例:教授法研修)を受けた (a)就学前教育、(b)初等教育、(c)前期中等教育、(d)後期中等教育に従事する教員の割合 |
【ジェンダー】ジェンダー平等を達成し、すべての女性及び女児の能力強化を行う
ゴール5のジェンダーには9個のターゲットが規定されています。
No. | ターゲット | インディケータ |
5.1 | あらゆる場所における全ての女性及び女児に対するあらゆる形態の差別を撤廃する | 性別に基づく平等と差別撤廃を促進、実施及びモニターするための法律の枠組みが制定されているかどうか |
5.2 | 人身売買や性的、その他の種類の搾取など、全ての女性及び女児に対する、公共・私的空間におけるあらゆる形態の暴力を排除する。 | これまでにパートナーを得た15歳以上の女性や少女のうち、過去12か月以内に、現在、または以前の親密なパートナーから身体的、性的、精神的暴力を受けた者の割合(暴力の形態、年齢別) |
過去12か月以内に、親密なパートナー以外の人から性的暴力を受けた15歳以上の女性や少女の割合(年齢、発生場所別) | ||
5.3 | 未成年者の結婚、早期結婚、強制結婚及び女性器切除など、あらゆる有害な慣行を撤廃する。 | 15歳未満、18歳未満で結婚又はパートナーを得た20~24歳の女性の割合 |
女性性器切除を受けた15歳~49歳の少女や女性の割合(年齢別) | ||
5.4 | 公共のサービス、インフラ及び社会保障政策の提供、並びに各国の状況に応じた世帯・家族内における責任分担を通じて、無報酬の育児・介護や家事労働を認識・評価する。 | 無償の家事・ケア労働に費やす時間の割合(性別、年齢、場所別) |
5.5 | 政治、経済、公共分野でのあらゆるレベルの意思決定において、完全かつ効果的な女性の参画及び平等なリーダーシップの機会を確保する | 国会及び地方議会において女性が占める議席の割合 |
5.6 | 国際人口・開発会議(ICPD)の行動計画及び北京行動綱領、並びにこれらの検証会議の成果文書に従い、性と生殖に関する健康及び権利への普遍的アクセスを確保する。 | 性的関係、避妊、リプロダクティブ・ヘルスケアについて、自分で意思決定を行うことのできる15歳~49歳の女性の割合 |
15歳以上の女性及び男性に対し、セクシュアル/リプロダクティブ・ヘルスケア、情報、教育を保障する法律や規定を有する国の数 | ||
5.a | 女性に対し、経済的資源に対する同等の権利、並びに各国法に従い、オーナーシップ及び土地その他の財産、金融サービス、相続財産、天然資源に対するアクセスを与えるための改革に着手する。 | (a)農地への所有権又は保障された権利を有する総農業人口の割合(性別ごと) |
土地所有及び/又は管理に関する女性の平等な権利を保障している法的枠組(慣習法を含む)を有する国の割合 | ||
5.b | 女性の能力強化促進のため、ICTをはじめとする実現技術の活用を強化する。 | 携帯電話を所有する個人の割合(性別ごと) |
5.c | ジェンダー平等の促進、並びに全ての女性及び女子のあらゆるレベルでの能力強化のための適正な政策及び拘束力のある法規を導入・強化する。 | ジェンダー平等及び女性のエンパワーメントのための公的資金を監視、配分するシステムを有する国の割合 |
【水・衛生】すべての人々の水と衛生の利用可能性と持続可能な管理を確保する
ゴール6は8個のターゲットが規定されています。
No. | ターゲット | インディケータ |
6.1 | 2030年までに、全ての人々の、安全で安価な飲料水の普遍的かつ衡平なアクセスを達成する。 | 安全に管理された飲料水サービスを利用する人口の割合 |
6.2 | 2030年までに、全ての人々の、適切かつ平等な下水施設・衛生施設へのアクセスを達成し、野外での排泄をなくす。女性及び女児、並びに脆弱な立場にある人々のニーズに特に注意を払う。 | (a)安全に管理された公衆衛生サービスを利用する人口の割合、(b)石けんや水のある手洗い場を利用する人口の割合 |
6.3 | 2030年までに、汚染の減少、投棄の廃絶と有害な化学物・物質の放出の最小化、未処理の排水の割合半減及び再生利用と安全な再利用の世界的規模で大幅に増加させることにより、水質を改善する。 | 安全に処理された排水の割合 |
良好な水質を持つ水域の割合 | ||
6.4 | 2030年までに、全セクターにおいて水利用の効率を大幅に改善し、淡水の持続可能な採取及び供給を確保し水不足に対処するとともに、水不足に悩む人々の数を大幅に減少させる。 | 水の利用効率の経時変化 |
水ストレスレベル:淡水資源量に占める淡水採取量の割合 | ||
6.5 | 2030年までに、国境を越えた適切な協力を含む、あらゆるレベルでの統合水資源管理を実施する。 | 統合水資源管理(IWRM)実施の度合い(0-100) |
水資源協力のための運営協定がある越境流域の割合 | ||
6.6 | 2020年までに、山地、森林、湿地、河川、帯水層、湖沼を含む水に関連する生態系の保護・回復を行う。 | 水関連生態系範囲の経時変化 |
6.a | 2030年までに、集水、海水淡水化、水の効率的利用、排水処理、リサイクル・再利用技術を含む開発途上国における水と衛生分野での活動と計画を対象とした国際協力と能力構築支援を拡大する。 | 政府調整支出計画の一部である上下水道関連のODAの総量 |
6.b | 水と衛生に関わる分野の管理向上における地域コミュニティの参加を支援・強化する。 | 上下水道管理への地方コミュニティの参加のために制定し、運営されている政策及び手続のある地方公共団体の割合 |
スタートアップでも関与できるターゲット(ゴール4〜6)
では、前回に引き続き実際にスタートアップでも関与できそうな、そしてすでに関与してそうなSDGsゴールやターゲットを考えていきましょう。
ゴール4:【教育】すべての人々への包摂的かつ公正な質の高い教育を提供し、生涯学習の機会を促進する
教育に関しては、基本的に政府による関与及び実行の領域がメインです。どうしても、SDGsとしては、基礎的な教育の普及の方に重きが置かれるので、日本のような先進国や基礎教育体制がある程度確立している国では、対象となるターゲットが少なくなります。
スタートアップでも関与できて、確実に今後の日本でも必要とされるターゲットが一つ存在します。それが、以下になります。
2030年までに、技術的・職業的スキルなど、雇用、働きがいのある人間らしい仕事及び起業に必要な技能を備えた若者と成人の割合を大幅に増加させる
ターゲット4.4
ICTスキルを有する若者や成人の割合(スキルのタイプ別)
インディケーター4.4
個人的にはICTに限らずだとは思いますが、ソフトウェアが世界の重要なパーツの一つになっている現在においては、日本の全体的なナレッジレベルが高いとは個人的には思えていません汗
管理セクションに多く接するため、どうしても文系人材と接することが多いからかもしれませんが、文系・理系という20代前半までの学習区分だけでソフトウェアへのナレッジの有無が決まるものでもないと考えていますし、実際社会に出てからの方がその必要性を肌で感じやすいかと思います。
そのような契機に対して、アクションしていけるスタートアップが増えていくといいなと思います。プログラミング学習のスクールは個人的には・・・と言う感想しかありませんが。。
ちなみに総務省もICTに関しては、以下のような習得プログラムを準備しているようです(中身は細かく見ていないので、質問には答えられませんが)

ゴール5:【ジェンダー】ジェンダー平等を達成し、すべての女性及び女児の能力強化を行う
正直私はジェンダーに関する知見があまりに不足しているので、ちょっとフェムテックの方々とお話しして勉強してから、ここはいつか書きたいと思っています。今はわからないので正直全く書けません。。
ゴール6:【水・衛生】すべての人々の水と衛生の利用可能性と持続可能な管理を確保する
こちらについても、正直私は水・衛生に関する知見があまりに不足しているので・・・。今はわからないので正直全く書けません。。ちょっとお勉強の仕方もイメージついておらず、塩水から水を作る装置を開発していたスタートアップが日本にいらっしゃったはずなので、いつかその会社の方にレクチャー受けて勉強しようかな。。
まとめ
今回は、【SDGsゴールとターゲットまとめ〜自社でも関与できるものはあるか?(2)〜】として、SDGs(持続可能な開発目標)の概要とゴール4〜6までのターゲット・インディケータを見てきました。
ESGと違って、DNSHの兼ね合いもあり、投資家サイドからの目線も強くなっているSDGsですが、スタートアップとしてもトレンドであるとともに、ミッションの関連性がある部分が見つかると事業的な価値もより高まると個人的には思っています。
自社に直接フィットするゴール以外でも、ビジネス目線で自社が関与しにいく領域が何かないか、広くあさくでもいいので探ってみるのがいいかなと思っています。