役員会を活性化するために考えること

boar meeting 経営管理
Abstract concept of young business startup in a meeting in their workplace
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さて、この頃立て続けに相談を受けたので、記事化してみます。

役員会、要は取締役会での議論や話し合いが活性化せず、報告を聞くだけの傍聴会議になっていませんか?

定例の月次報告を各セクションから受けて、ふむふむ、と聞いて気になった点を1つくらい聞いて、終わり。。

と言う形で、本当に役員メンバーで考えて欲しいことは検討されているのでしょうか?

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役員会に期待される役割は?

役員会に期待される役割はそもそも何でしょうか?大きくカテゴライズすると以下の3つに分かれると思います。

法定決議事項: 会社法等で定められている事項の決議

社内基準決議(報告)事項: 内規で定められた事項の決議、報告

任意事項: その他事項

法定決議事項や社内基準(取締役会基準や決裁権限基準に基づく)に基づく、決議・報告事項は当然重要な事項で、その事項自体の議論を深めることは重要です。

メンバークラスとしても、大企業の場合、ほとんど社内決裁基準に基づく役員会決裁が必要な項目となると、審議に向けて時間をかけて準備して臨んでいると思います(そもそもここに時間をかけてのぞむ必要がどの程度あるのかは置いておいて。。)

コーポレートガバナンスコードで期待される取締役会の役割は?

他方で、コーポレートガバナンスコードでも期待される取締役会の役割が規定されています。

上場会社の取締役会は、株主に対する受託者責任・説明責任を踏まえ、会社の持続的成長と中長期的な企業価値の向上を促し、収益力・資本効率等の改善を図るべく、

(1) 企業戦略等の大きな方向性を示すこと
(2) 経営陣幹部による適切なリスクテイクを支える環境整備を行うこと
(3) 独立した客観的な立場から、経営陣(執行役及びいわゆる執行役員を含む)・取締役に対する実効性の高い監督を行うこと

をはじめとする役割・責務を適切に果たすべきである。

コーポレートガバナンスコード 基本原則4 抜粋

どっちかと言うと一般的な取締役会で議論されるような守りの要素ではなく、攻め側の要素が強くなっていますね。これまでの取締役会が主に守り的な要素の議論に終始していた

一般的な役員会の議論活性化のための施策

一般的には役員会の議論を活性化させると言うと、決議事項に対して議論を深めるためにはどうしたらいいかを考えることだと思います。

そのための施策としてよく上げられるのが、以下のような物だと思います。

一般的な議論活性化のための施策
  • 役員会の人数を減らし、少人数にして議論しやすい場を作る
  • 外部有識者を社外取締役で召集することにより、外部の知見・経験をいれる
  • 審議に必要な情報が事前に共有されているようにする
  • 審議以外の情報も会社から提供される

コーポレートガバナンスコードで規定されている役員会の活性化例示

コーポレートガバナスコード補充原則にも以下のような例示が上がっています

(ⅰ) 取締役会の資料が、会日に十分に先立って配布されるようにすること

(ⅱ) 取締役会の資料以外にも、必要に応じ、会社から取締役に対して十分な情報が(適切な場合には、要点を把握しやすいように整理・分析された形で)提供されるようにすること

(ⅲ)年間の取締役会開催スケジュールや予想される審議事項について決定しておくこと

(ⅳ) 審議項目数や開催頻度を適切に設定すること

(ⅴ) 審議時間を十分に確保すること

コーポレートガバナンスコード 補充原則4-12①

具体的な活性化のためには議題・テーマ選定が肝

じゃぁ具体的にはと言うことで、何社かで試してみてそこそこうまくいった要素をピックアップしてみました。

正直内容としては、役員会じゃなくて別途合宿だよねって物だったり、色々思うこともありますが、まずは何より今までのやり方が全て正解と言う前提概念を取っ払って、前例踏襲しないことを第一に頭をリセットすることが重要かなと思います。

突拍子もないテーマを考える:
売上を10倍にするには?コストを10分の1にするには?

日頃の業務進捗の延長線上で物事を考えないと言うのも大きな絵を役員会で考えるためには重要です。

よくスタートアップで例題にするのが、売上が10倍にするための組織・ビジネスモデル・客先構成・コスト構造・なったときの組織の形などなど。10倍って言う数字が通常業務の延長線上ではなかなか見えない規模でもありながら、スタートアップとしては目指す領域でもあるので非常にヒットしやすいです。こっちは将来をみる要素が強いですかね。

売上はみんな考えますが、他方でコスト側でやる方が実は難しいものでもあります。そして、こちらの方が現在を深く観察する要素にもなったりします。全社のトータルコストを10分の1は結局人削減みたいな話になるので好きではないですが、小さいうちは特定の活動・セクションを対象にやってみたりすると今まで見えてこなかったものが見えたりもします(シード期のスタートアップとかがやっても無意味ですが)。

ただ、ここら辺は実際は時間をじっくりとって経営合宿ネタだよね、ってなったりもします。

まぁ大企業だと3倍とか3分の1とかでも十分突拍子もない規模の話ではあるので、何倍かは要は自社の規模に対して現実的な打ち手では届かない領域と言う意味で設定すればいいと思います。

次世代以降のためにやることを考える:
後世代のために自分たちが何ができるか?10年先の会社を考える

業歴の長い会社で1代目・2代目くらいのケースで多いのではないかと思うのが、創業期から継続してやってきたメンバーが多く、取締役会が高齢化していること。

別に高齢化が悪いとは言わないですが、会社は自分たちの代が終わっても続いてくものです。と言うことは、自分たちの世代のための投資でなくて、次世代のための投資を継続していかないと苦労するのは次世代以降となります。

特に、IT化や新規事業に対しては、どんどん手が出なくなって遅れていくケースが多い気もします。それで課題がないのであればいいですが、実は課題がないのではなくて、課題に気づいていないだけと言うケースの方が多いです。昔からのコネクションだけでビジネスが成り立っている場合、数字だけは衰退していなくても、実質的には衰退していると言うケースも。。

役員の場合、自分の任期の間問題なく過ごせればいい、と思ってしまう気持ちがわからなくもないですが。実際その考えが次世代以降に対して、負債を残していると言うのも事実です。

30年後を考えようと言ってもわからない部分が圧倒的に多いですが、10年後だと実は既存メンバーの課長クラスや部長クラスが役員をやる時期と思れば、可愛いあいつらのために、となったりするかもしれませんね。

事業に対するスタンスを議論する:
IT投資方針・新規事業方針 etc

役員会で議論されるもので、もともとあるロングスパンの課題と言うと、中期経営計画が一番メジャーではないでしょうか。

でも、中期経営計画以外にも社内に対して発信するために、もっと色々考えていいと思うようなものが事業に対するスタンスです。

特に新規事業などに対する方針・考え方は次世代のために、そして現在のメンバーのためにリスク許容度・事業レンジ・社内風土・体制・そして何より失敗への許容スタンス、など役員会でスタンスを決めて発信してあげると現場の迷いや不安を少しでも削減していくことが必要です。

IT投資も大概にしてよくわからないから、と言う理由で積極的に議論されないのであれば、本質的に問題がありますし、少子化のなかで忘れ去ることができない部分でもあります。

リスクを議論することも当然大事なのでしょうが、コーポレートガバナンスコードにあるように攻めを議論できるようにするためには、スタンスを決めておくことは役員会として大事な要素かなと思います。特にある程度大きく(売上数百億程度)なって、役員と現場の距離が離れて複数階層管理職が含まれるようになれば特に。

市場で評価されているものが取り入れられないか考える:
うちのビジネスでSaaSってできないのか?Recuringできるビジネスモデルに変えられないのか?

まぁ今考えてても遅いと言う意見もあるかと思いますが、考えない・実行しないよりは今からでもやることが大事なアイテムではないでしょうか。

SaaSって言うと頭の中で、うちはシステム会社じゃないから、って言う人が多いのですが、肝はそこじゃないです。如何に継続課金できて、顧客からのフィードバックを継続的にできるモデルを構築するか、が肝です。

別に旧来ビジネスでも多くありますよね、継続課金モデルの会社。

例えば、士業の顧問業務・ジレットの替刃モデル・プリンターのカートリッジモデル・栗田工業の設備導入従量課金モデル・リース会社のセールアンドリースバックやフルリース、などなど。あげればキリがないくらい、各業種で実は昔から顧客との関係性を継続しつつ、顧客のための資産をもち、継続して収入を得るモデルと言うのは存在します。

できないではなく、考えてこなかったケースの方が多いと思います。ビジネスモデルの歴史などを振り返ってみたり、他業種の動きなどをみていくと自社・自業種にもメタ化すると当てはめられる要素が見つかるのではないでしょうか。

まとめ

役員会の活性化と言うテーマでみてきました。

コーポレートガバナンスコードが出て、上場企業は少なからず企業価値向上に向けて何をするか一度は考えたと思います。ただ、一度考えればいいものではなくて、継続して仕組みとして導入しつつ、変化に追い付きつつ常に仮説を立てて・検証する作業を繰り返す必要がある部分でもあります。

例はあくまで個人的に思ったものを何個かピックアップしただけですが、案外テーマ以上にファシリテーターが重要になる場面もあると考えています。

議長である代表者は大変ですが、代表である以上常にアンテナはって、フォロワーにもアンテナ張ってもらうように姿を見せ・発信していく必要がありますね。

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