気になったスタートアップの資本政策を勉強していきます。
更新は不定期です。元々自分でCFOやるさいにベンチマーク等にしていた会社の資本政策を一部更新しながら公開していきます。
なお、全ての情報は公開情報(上場会社であれば1の部、非上場であれば個人で取得できる範囲)で作成しており、インサイダー的な情報は含んでおりません。また、非上場会社の場合、取得できる情報に制限がある関係上、情報が全て正しいことは保証致しませんので、悪しからず。
対象会社概要
会社名 | FABRIC TOKYO |
サービス名 | link |
URL | https://fabric-tokyo.com/ |
Category | fashion tech |
収益モデル | 物販 |
住所 | 東京都渋谷区千駄ヶ谷5丁目23-13 南新宿星野ビル6階 |
役員概要
Board Member | Name | 属性 |
CEO | 森 雄一郎 | 代表取締役 |
CTO | N/A | |
COO | N/A | |
CFO | 三嶋 憲一郎 | トーマツ->エナリス |
Other | 永井研行 | ニッセイVC |
Other | 渡邉佑規 | GCP VC |
監査役 | 市川貴弘 | 税理士(元大和) |
代表とCFOが1名ずつ内部役員。出資VCよりニッセイ、GCPがボードメンバー入り。監査役はニッセイ永井さんの知り合いだったはず。
CTOが置かれていないのが、テックと言いながら、純粋テックではないFABRIC TOKYOの特徴かなと。
ちょっと面白いなと思ったのは、CMOもCOOもいないこと。CEOかCFOが兼ねているのかもですが、2CビジネスなのでCMOは近々置くのかなとも。
キャップテーブル(資本政策)
2019/11/31時点の登記情報に基づく推測です。
時価総額 | 7,629,261,240 |
累計調達額 | 2,172,300,266 |
ラウンド | D |

注)平成29年4月に1000株:1株の分割をしていますので、平成29年4月以降は実際は1000倍した株式数です。
直近時価総額76億までいってるんですね。D2Cの筆頭として高い評価を受けているようです。
気になったのは、2回の減資。たぶん累積の赤字を消しているんだと思うので、調達したお金は順調にとかしているようです。近いうちに上場も視野に入れているんですかね。
店舗開設等の費用もあるはずなので、結構コストかかるモデルですね。元Fashion tech系でCFOやっていた身からすると、この領域は工場→ブランドの間よりも、ブランド→消費者間の方が圧倒的に利幅乗せが多いので、D2Cは相性いいかなぁと思います。在庫持たなくて済むのであれば、在庫分のキャッシュが寝ちゃうこともないですし。
ラウンド間隔
ラウンド移行 | 日数 | 年月 |
seed->A | 不明 | |
A->B | 334 | 約1年 |
B->C | 174 | 約半年 |
C->D | 260 | 約9ヶ月 |
各回の調達ラウンドが半年くらい続いているので、あくまで前ラウンドの初回入金日から次ラウンドの初回までの期間です。
だいたい1年〜1.5年で資金を回しており、スタートアップ感のある溶かし方かなと思います。
業績
こちらは、公開されているわけではないですが、HPに乗っていたグラフを貼っておきます。

実数は当然わかりませんが、直近は年間400%とか、半年で倍倍(年間400%相当かな)となっているので、直近2年くらいの成長はSaaSのT2D3を超えていますね。ただ、あくまで製造販売なので、どこまで粗利額が伸びているのかは不明です。
感想
順調に伸びてきているなという感じのするスタートアップです。店舗を持つことはIT系が多い自分からするとコスト的には辛いところなんですが、実際のお客さんとのF2Fのコミュニケーション機会が増えることで、いわゆるCS的な部分の強化が進みやすい気もします。
Fashion techは個人的趣味で置い続けていくので、今後も何社か登場予定です。