気になったスタートアップの資本政策を勉強していきます。
更新は不定期です。元々自分でCFOやるさいにベンチマーク等にしていた会社の資本政策を一部更新しながら公開していきます。今回は過去のログから出さずに直近気になった会社を紹介しています。
なお、全ての情報は公開情報(上場会社であれば1の部、非上場であれば個人で取得できる範囲)で作成しており、インサイダー的な情報は含んでおりません。また、非上場会社の場合、取得できる情報に制限がある関係上、情報が全て正しいことは保証致しませんので、悪しからず。
対象会社概要
会社名 | HiCustomer |
サービス名 | HiCustomer |
URL | https://hicustomer.jp/ |
Category | CS support tool |
収益モデル | SaaS |
住所 | 東京都品川区東五反田5-21-13中丸ビル3F |
役員概要
Board Member | Name | 属性 |
CEO | 鈴木大貴 | 代表取締役(元アーキタイプ) |
CTO | 肥前洋佑 | 元オロ |
COO | N/A | |
CFO | N/A | |
Other | N/A |
設立2年くらいのスタートアップなので、役員も代表とCTOの2人だけですね。監査役も置いていない感じ。
代表が元アーキタイプの方なので、調達は代表が実施している感じですかね。そのうち、CFOと監査役は必要になりそうな感じですね。ただ、CS自体はマーケットで膨らんできている職種・タスクでもあるので、調達は短期的にはそこまでハードではない気もします。グローバルマーケットってなると海外コンペティタいるのか不明ですが。
開発言語がGOっぽいので、私はエンジニアとしてお手伝いできないタイプの会社。
会社のビジネス自体がCSをサポートすることなので、早めにCS関係の役員は置いた方が内部の知見と外部の知見両方使えていい気がしますね。
キャップテーブル(資本政策)
2019/11/31時点の登記情報に基づく推測です。
時価総額 | 761,354,497 |
累計調達額 | 212,000,060 |
ラウンド | A |

注)AA2というのがありますが、そこはJ-KISSの転換部分になります。J-KISSで60M、その後の実際のAラウンドで150M調達。J-KISSは転換型なので、Aラウンドの評価額に転換株数が連動する。J-KISSについての、説明は500startupのHPをご確認ください。
シリーズAをpre-Val5.2億で実施ということで、至極真っ当なValで調達しているイメージです。ここら辺は代表がVC経験者ってことも関係しているのでしょうかね。
Aラウンド終了時で外部シェアが約30%(希薄化後)なので、少し高いという方もいるかもしれませんが、十分ですかね。個人的には設立時から10万株発行しているところがセンスがあるなと思います。100株とかにされるとその後の評価額が上がってきた時に、細かい株式数で発行できなくて調整がずれやすいので。
マーケットとしては、CSのサポートツールということで、伸びてるし、CSは人(特に経験者)が採用できない、というか経験者がマーケットに少ないという点で、導入数は広がりやすいんじゃないかなと。
自分が次のラウンドやるなら、CSを広めるコンサルとかとも一緒にやりたいですかね、誰がいるのかわからんけど。。CSってスタートアップでは認知度高いけど、結局エスタブリッシュまでは広がりきっていない感じなので、そこをマーケットとして広げてからツールの導入も促進するのが向いてそう。今でもブログとかはやってるみたいですが、大企業向けはどっちかというと面着研修系ですかね、勉強会でもいいけど。
ラウンド間隔
シリーズ間隔 | 日数 | 年月 |
創業 -> seed | 225 | 半年 |
seed -> A | 457 | 1年2ヶ月 |
A -> B | N/A | |
B -> C | N/A | |
C -> D | N/A | |
D -> E | N/A |
シード資金を1年少しで消化して、シリーズA調達ということで、ペースも無難ですね。
業績
さて、ここは全く開示されていないので、分かりませんが、HPに導入企業の声として10社ほどアイコンが乗っていますね。全てスタートアップ界隈のメンツなので、だいたい導入後ロゴ使用は認めてくれるだろうという仮説なら、導入企業は10~30社というところなのでしょうか。
肌感としてたぶん取れて月10万、よくて15万くらいかなぁと。イニシャルが50万から100万くらいでしょうか。それから推測すると
MRR:150万〜450万
年間売上高(2019年):2500万くらいかなぁ
まぁこれくらいと想定するとValとの相関もだいたいいい水準かなとも思います。
まとめ
CSはマーケットして拡大しています。そしてそのサポートツールなので、ポテンシャルはある程度ありそうかなぁと。
他方で拡大期のマーケットでもあるので、まだそもそもCSってどうやってチームを組むのか、自社にとって何をしていくべきなのかが定まっていない企業も多くあると思います。そのため、そこらへんはフロントコンサルがあった方がステージとしては相性いいかなぁと。
PS(プロフェッショナルサービス)の構築が実は急務かもですね、大きく育てるという意味では。
個人的には応援したカテゴリの会社です。と言いつつ、関与スタートアップで使ったことがないので、是非一回導入検討してみたいな。CS業務はどうしてもスプレッドシート三昧になりますし。できたら営業からオンボーディングする際のカルテ作成機能も作って置いて欲しいなぁ。