スタートアップの役員報酬について考える〜その1 概要〜

スタートアップ 経営管理
Startup with young man in the night
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スタートアップにおいて、メンバーの給与テーブルの設計や事業計画の設計方法などは多くの情報があり多様に議論されています。

他方で、実は地味に語られることがないのが、役員報酬の設計方法です。

創業者であれ、創業メンバーであれ、シリアルのアントレプレナーや元々ある程度資産に余力のある方でもない限り、無給で働き続けることは一般的には困難です(まぁ創業者保有株を部分売却しながら成長させるっててもな気にしはあらずですが)。

ただし、役員報酬の設計は従業員の給与テーブルと同様答えのあるものではないので、参考までに個人的に調べているものや現場でみてる感覚からまとめていければと思います。

なお、この記事は一般的にどうやったら節税(社保負担も含めて支出総額削減)できるか、ということは一切検討しません。あくまで、成長させていきたいスタートアップにおいてどういう考えがあるのか、という点がメインになります。

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なぜ役員報酬を考える必要があるのか?

スタートアップの創業代表というのは一般には最大株主でもあり、だいたい過半数保有していることがメジャーです。もちろんレイターステージに近づくにつれて、50%割ることが普通ですが、エンジェル・シードステージで50%割ることは逆にほぼありません。

ということは、シンプルに言えば自分の役員報酬もある程度自由に決められます。もちろんVCとかが入っていれば制約条項がついていることもありますが。

でも、自由に決めることが本当に対従業員や対その他役員という側面においていいのでしょうか?

また、節税だけ考えてスキームを組むことが、スタートアップの成長に資するものなのでしょうか?

ここら辺は一般的にNoという方が多いと思いますし、私個人としてもNoだと思います。では、どうやって決めたら自分を律しつつも、生活は維持しながら、会社自体も成長させられるのか。考えると実は奥深いのかもしれません。

一般的にはどんなものなのか?

他社事例にが全て正ではありませんが、参考に学ぶことは正だと思います。

当然各社プライベートラウンドの会社なので、明確にいくらと出ているわけではありませんが、過去の経験からすると以下ぐらいのテーブルになっているケースが多いと思います。

ステージ役員報酬(月額)
〜 シード20万~25万
シード 〜 シリーズA25万~30万
シリーズA 〜30万〜50万
B・C以降50万〜200万くらい

関東圏のスタートアップで上記のような肌感覚でしょうか。家族がいると生活ができないっていう人もいるような金額がシードやシリーズAには並んでいると思われる方も多いかと思います。

他方で、各ステージごとのマンスリーのバーンレート(これもあくまで肌感覚)から考えるとしっくり来るかもしれません。

ラウンド調達額推定バーン役員報酬
創業ラウンド2~3M50~100万20万~25万
エンジェル・シード20 ~ 30M100 ~ 400 万20万~25万
シリーズA50 ~ 250M500 ~ 2000 万30万〜50万

一般的に run away(調達資金を溶かす月数)は半年〜1.5年程度をターゲットに設計して、調達金額とうは設定していきます。その中で、代表個人の役員報酬だけで20%~30%にもなってしまったら、メンバー採用も事業用の活動も制限が大きくスケールを狙っていくことはなかなかできません。

そのため、スタートアップで外部資金によって成長を目指すケースでは、ラウンドが若ければ若いほど役員報酬も低くならざるを得ないのが一般的です。

2019年上場した会社の役員報酬はどうだったのか?

では、逆に一定のEXITを達成したことになるIPOベンチャーの役員報酬はどのくらいなのでしょうか?

2019年に上場したテック系ベンチャーを中心に役員報酬を調べてみました。サンプルは8社だけなので、あくまでも参考で。

source: 上場申請のための1の部>コーポレートガバナンスの状況>役員報酬等

(社外取締役を除く取締役の報酬:基本報酬+SO →ただし、SOありはfreeeのみ)

役員報酬総額・一人当たり

注)freeeは1名SOで96M付与されており、総報酬が111Mの方(元Google)がいます。それを除くと、平均報酬は8Mとなります。

上場ステージまで辿りついたスタートアップでも一人当たり内部取締役は20Mいかないケースが多いです。少ない会社(スペースマーケット)だと6Mっていう会社も存在します。

6Mってうと月額50万なので、本当にシリーズAで役員報酬を結構もらっている代表者より少ない可能性すらあるレベルですね。

役員別で役員報酬の設計はどうするべきか?

正直この問題は難しいですし、これまでも感覚で決められてきているケースの方が多いと思います。

また、シード以前のラウンド会社においては、正直最初にえいやで決めた固定額が維持されてそこから少しずつあげてっています、理由はないですが。っていうケースがほとんどかと思います。

個人的には、ここにも一定のロジックを持って設計して、従業員やVCにも説明できるようにするべきではないのか、と考えています。

SOは設計するのに基本報酬は設計されないってのも変ですし(まぁ実現した時の額のインパクトが違うので仕方ない面もありますが)、従業員にはテーブルやらインセンティブやら決めて成長を促すのに役員はそれがないっていうのもどうかと思います。

次回以降、少し個人的に考える取締役の職位別報酬設計について記事にして行けたらなと思います。

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